「売買は賃貸借を破る」?
「売買は賃貸借を破る」
一見すると何を言ってるのかわからない感じがします。
これは、賃借権は債権であるから賃貸人が売買により目的物を譲渡したときは譲受人(新所有者)に対しては使用収益させるように請求できない。
つまり、売買契約によって新所有者が得る所有権は賃貸借契約による賃借権
に優先するということです。
この物権である所有権に債権である賃借権が対抗できないことを利用して
明治30年代に「地震売買」とされるものが社会問題になったようです。
近代国家になるにつれ地価が高騰し、土地の新たな利用を考える地主は他の地主と
形式上の売買契約を締結することで対抗要件を有しない借地人を追い出すことが
多発したーまるで地震のように借地人の地位を崩壊させることからこの名がついたそうです。