二階に上げて、ハシゴを外す

気になったものをまとめ、書いていきます

「一応の推定」?

「一応の推定」とは

「高度な蓋然性を持つ経験則の働きによって、過失や因果関係といった要件事実を直接推認すること」

(出典:『表見証明(一応の推定)再論考のための一試論』安井英俊)

うーむ。難しいなあ。正直なにいってるかわからない

 

先日アマゾンプライムで映画を見ようとしていたら

柄本明主演の「一応の推定」という映画がプライムで見ることができたので

なんだか法律のかっこいい話なのかな、と思いながら視聴しました。

冒頭でタイトルでもある「一応の推定」についての説明がなされています。以下の通り

 

「一応の推定とは、保険の被保険者が遺書を残さないで自殺したとき典型的な自殺の状況が説明されれば裁判で自殺だと認定されるという理論である」

 

さて、映画を見終わったあとにグーグルで「一応の推定」と検索すると

ほぼこの映画か、原作の小説しかでてこない。

そこで、『民事訴訟法(リーガルクエスト)第3版』を参照してみると

わかりやすい具体例が載っていたので、ここに引用します。

 

「たとえば、開腹手術後にガーゼが腹腔内に遺留されていたのが発見された場合において、遺留の経緯や病院の過失に関する具体的な事実の主張・立証がない場合であっても、通常ではガーゼが腹腔内に遺留されることはあり得ないとの経験則を重くみることによって、抽象的かつ不十分な主張・立証に基づいて病院の過失を認定する場合などが、一応の推定(表見証明)の典型例である。」(p278‐279)

 

難解と呼ばれるリーガルクエス民事訴訟法も抜き出してみると意外とすんなり頭に入ってきます。

ある事実が「証明」されるには「高度の蓋然性」が必要であり

裁判官を8割くらい納得させるほどの心証を形成することが必要だとされています。

そしてその納得させる方法として、具体的な証拠などが必要となってくるわけですね。

しかし、ことに医療過誤訴訟においては原告である患者側には医療の専門知識は無いのが普通な上に、医療という高度の専門性を有する事象において、詳細な事実を具体的に立証することは非常に困難であるから、証明の負担を軽減することが必要となります。

この訴訟上の証明については「ルンバール事件」が有名です。

要するに

普通に考えたらこういう事実があるでしょ、と高い確率でいえそうな場合にはそういう事実があった、ということを一応、推定しておく。

ということです。

さて、映画のほうの一応の推定に話をもどしてみると

上記映画内での説明は換言すれば

超高額の生命保険をかけて、かつお金に困っていたような被保険者がなんの前触れもなく死んだら、それ、自殺でしょ、と裁判で一応認定されるよ」ということですね。

 

民事訴訟法はよくわからないのですが、法律のかっこいい単語とか概念が出てくると

おもわず知ったかぶってしまいます。

皆さんも明日から使ってみましょう。

「あ、それ一応の推定されるわ(笑」

みたいな感じで